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【育成術】傾聴力を高める6つのトレーニングとスキルアップのコツ

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2024年6月15日(土)
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こんにちは、コーチングを提供している瀧口です。
私はこれまでに、10名規模の中小企業から100名規模の営業チームまで、コーチングという手段を通じて「属人的な文化」を改善してきました。

「指示したことしか動いてくれない」
「良かれと思ったアドバイスが響かない」
もしあなたがそんなモヤモヤを抱えているなら、その原因は「話し方」ではなく「聴き方」にあるかもしれません。

この記事では、単なるあいづちとは次元が違う、プロの「傾聴力」について解説します。 心理的安全性の作り方から、明日使える「ペーシング」などの実践スキルまで、全て網羅しました。

最後まで読めば、部下が自分から動き出し、活発な提案が飛び交うチームへと変わる道筋がハッキリ見えます。
「 傾聴力って、結局どうすれば身につくの?」という疑問に答えるため、この記事では今日から使えるトレーニング法を厳選しました。 まずは記事にある「3つの姿勢」を知り、明日からのマネジメントに取り入れてみてください。

傾聴力(アクティブリスニング)とは? なぜ必要なスキルとされるのか?

ビジネスの現場で注目されている「傾聴力」。
大手書店のビジネス書コーナーでも関連書籍が増え、Google検索トレンドでも検索数が上昇傾向にあります。

これは、ただ耳で音を拾うこととは全く別のスキルです。なぜ今、これほど力が強く求められているのでしょうか。

傾聴力とは?|3原則とレベル別ステップ

「傾聴力(アクティブリスニング)」とは、心理学者カール・ロジャーズが提唱した対人支援のスキルです。

単に耳を傾けるだけでなく、相手を深く理解するために、ロジャーズは以下の「3原則」が不可欠だとしました。

  • 共感的理解:相手の立場に立ち、相手の感じている世界を想像する
  • 無条件の肯定的関心:善悪の評価を下さず、相手の話を肯定的に受け入れる
  • 自己一致:表面的な態度ではなく、誠実な一人の人間として向き合う

このスキルは才能ではなく、以下の3段階のステップでトレーニング可能です。

  • 受動的傾聴:目を見て、うなずきや沈黙を活用し「聞く姿勢」を示す
  • 反映的傾聴:相手の言葉を繰り返しや要約で返し、内容を整理する
  • 積極的傾聴:言葉の裏にある本音や意図まで汲み取り、言語化する

これらを段階的に習得すれば、部下の本音を引き出せるようになり、結果としてリーダーの「育成力」が伸びていきます。

中でも3つ目の「積極的傾聴」は集団を対象に行われるものなので組織の育成に力を入れている会社はこの3ステップ目に力を入れるべきです。

積極的傾聴は厚生労働省の「こころの耳」でも確認できます。気になる方はこちらも併せて確認すると良いでしょう。
≫積極的傾聴法とは|働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」

なぜ今「傾聴力」が必要なのか? 育成と組織へのメリット

「黙って俺についてこい」というスタイルが通用しなくなった今、チームには「聴く力」が欠かせません。その理由は大きく分けて4つあります。

  • 安心して働ける場を作るため(心理的安全性)

「何を言っても否定されない」という安心感があると、メンバーは失敗や悪いニュースを隠さずに報告してくれます。これにより、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。

  • 新しいアイデアを生むため

自分と違う意見を「面白い」と受け入れることで、一人では思いつかないような新しい発想がチームに生まれます。

  • 自分で考えて動く人を育てるため

人は、他人から言われたことよりも、自分で口に出して気づいたことにやる気を感じます。話を聴いてもらうことで思考が整理され、「次はこうしよう」と自ら動くようになります。

  • 大切な人材を辞めさせないため

「自分の話を分かってくれる人がいる」という実感は、給与と同じくらい、あるいはそれ以上に「ここで働き続けたい」と思う理由になります。

傾聴力が身につけば、チームに自発性を生み、働きやすい雰囲気を作り出します。

当然指導を受ける社員や指導する社員も伝達がうまくいきやすくなり、育成も劇的に良い方向へ変化します。

会社を安定させながら、大きくしていくためにも「傾聴力」を意識したトレーニングやコーチングを取り入れる会社は増えています。

【具体例あり】すぐに実践できる! 傾聴力を高める6つのトレーニング

「聴く力」は才能ではありません。筋トレと同じように、正しい方法で練習すれば誰でも伸ばすことができます。

ここでは私がコーチング支援でも実施している手法の中から抜粋して、明日からすぐに試せる練習法を紹介します。

相手に安心感を与える「ペーシング」と「ミラーリング」

初対面の相手や、緊張している部下の心を開くには、まず「私はあなたの敵ではありません」と伝えることが大切です。人は自分と似ているものに安心する性質があります。

  • ペーシング(ペースを合わせる)

相手が早口なら自分も少し速く、ゆっくりなら自分もゆっくり話します。声の大きさや、明るさも相手に合わせます。

  • ミラーリング(鏡のように動く)

相手がお茶を飲んだら自分も飲む、相手が資料を見たら自分も見る。自然な範囲で動きを合わせます。

ポイント

相手が髪を触った瞬間に自分も触るなど、露骨な真似は「バカにしている」と思われます。数秒遅らせてゆっくり動くのがコツです。

話を引き出す「あいづち」と「バックトラッキング」

相手に「もっと話したい」と思ってもらうには、反応のバリエーションが必要です。

中でも会話に多い「あいづち」と「バックトラッキング(オウム返し)」はしっかり記憶し、とっさに使えるように練習する必要があります。

あいづちの使い分け

  • リズムを作る:「うんうん」「はい」
  • 先を促す:「それで?」「へぇー!」「詳しく教えて」
  • 気持ちに寄り添う:「それは大変でしたね」「よかったですね」

バックトラッキング(オウム返し)
相手の言葉をそのまま繰り返して返します

  • 事実を返す: 「競合が出てきて厳しい状況なんですね」
  • 感情を返す: 「それは悔しい思いをしましたね」
  • 要約して返す: 「つまり、人手が足りなくて困っているということですね」

ポイント

自分の言葉に変えないことが大切です。 相手が「ムカついた」と言ったら「腹が立ったんだね」と言い換えず、「ムカついたんだね」と返す方が、相手は「分かってくれた」と感じます。

言葉以外のメッセージを読み取る「ノンバーバルコミュニケーション」

人の気持ちは、言葉よりも「目」「声」「態度」に現れます。これを読み取る練習です。

代表的なサインは以下の通りです。

  • 視線が泳ぐ: 不安や隠し事があるサイン。無理に追及せず、話しやすい空気を作ります。
  • 腕を組む: 警戒している、または深く考えているサイン。「何か気になる点はありますか?」と質問を投げかけ、腕を解いてもらいましょう。
  • 声のトーン: 「大丈夫です」と言葉では言っていても、声が暗ければ、本当は大丈夫ではありません。「声に元気がなさそうだけど、何かあった?」と踏み込んでみましょう。

※言葉に頼らず、表情、ジェスチャー、声のトーン、姿勢、服装などの非言語的な要素で情報を伝えるコミュニケーション方法は、ノンバーバルコミュニケーションとも言います

1分間でできる「要約トレーニング」

話を聴きながら「結局どういうこと?」と迷子にならないための練習です。

  • 毎朝、ニュース記事をひとつ読む。
  • その内容を「誰かに伝えるつもり」で、1分間で口に出して要約する。
  • 「結論は〇〇です。理由は〇〇だからです」という型を使う。

これを続けると、長い話の要点をつかむ力が格段に上がります。

事実と感情を切り分ける「書き出しワーク」

トラブルの報告など、相手がパニックになっているときは、こちらも巻き込まれないように注意が必要です。メモ帳を使って情報を整理しましょう。

  1. ノートに縦線を引き、左を「事実」、右を「感情」と分ける。
  2. 相手の話を聞きながら振り分けてメモする。
     事実: 「1時間遅刻した」「連絡がなかった」
     感情: 「許せない」「ガッカリした」
  3. フィードバックする。
     事実:「連絡なしに遅れてきたんだね。」
     感情:「それでガッカリしたんだね。」

こうすることで、自分も相手もクールダウンし、冷静に解決策を考えられるようになります。

職場研修で有効な「3人1組のロールプレイング」

チームで練習するなら、これが最も効果があります。

  • 話し手: 最近あった出来事を話す。
  • 聴き手: スキルを使って話を聴く。
  • 観察者: 二人の会話を黙って観察し、聴き手の良かった点、惜しい点をメモする。

実は、一番勉強になるのは「観察者」をやった時です。人の振り見て我が振り直せ。客観的に見ることで、自分の癖に気づけます。

チーム全体に「聴く文化」を定着させる、3つの育成ポイント

個人のスキルだけでなく、チーム全体で「聴く文化」をつくることは非常に大切です。

  • 指導者自身が「手本」となる1on1ミーティングの活用法
  • スキル定着を促す「フィードバック」の具体的な伝え方
  • 心理的安全性を高め、チーム全体で「聴く文化」を作るコツ

この3つの内容を押さえて、傾聴力のトレーニングをすることで、組織や社員は大きく成長します。

指導者自身が「手本」となる1on1ミーティングの活用法

「もっと部下の話を聴け」と口で言うより、リーダーであるあなた自身が、部下の話をじっくり聴く姿を見せることが一番の教育です。

そのための場が「1on1ミーティング」です。以下の3点を押さえて、ミーティングを行うことで、部下も「私の話をしっかり聞いてもらってくれている。私もこういう上司を目指さなきゃ!」と心構えが変化します。

  • 業務報告にしない:
    仕事の進み具合ではなく、「部下が今考えていること」や「悩み」を聴く時間にします。
  • スマホを置く:
    「今はあなたのためだけの時間だ」と伝えるため、PCやスマホは見ないようにします。
  • 沈黙を怖がらない:
    会話が止まっても、それは部下が考えている時間です。焦って口を挟まず、じっと待ちましょう。

スキル定着を促す「フィードバック」の具体的な伝え方

部下の聴く力を伸ばすために、フィードバックにも注意します。以下の2点を実行することで、部下のスキル定着につながります。

  • 事実と影響をセットで伝える(SBIモデル)
  • 「私」を主語にする(Iメッセージ)
事実と影響をセットで伝える
(SBIモデル)
「もっとちゃんと聴け」ではなく、「さっきの会議で、〇〇さんが話している途中で君が意見を言ったとき(事実)、〇〇さんはそれ以上話せなくなってしまったね(影響)。最後まで聴くと、もっと良い意見が出たかもしれないよ」と伝えます。
「私」を主語にする
(Iメッセージ)
「あなたはダメだ」と責めるのではなく、「あなたがスマホを見ながら話を聞くと、私は軽視されていると感じて悲しい」と伝えます。これなら相手も反発せず、素直に受け止めやすくなります。

心理的安全性を高め、チーム全体で「聴く文化」を作るコツ

「聴くこと」が評価される仕組みを作りましょう。

聴くことが大切であることを「振り返り」や「評価」を通して、社員に考えさせます。意図的にこれらの時間を取ることで聴くことの重要性に気づき、文化として浸透させます。

「振り返り」の時間を取る:
週に一度、仕事の話だけでなく「今週あった良かったこと」や「感謝したいこと」を話す時間を作ります。

評価に入れる:
売上などの数字だけでなく、「周りの意見を尊重しているか」「相談に乗っているか」を人事評価の項目に入れます。
「聴くこと」が自分への評価につながると分かれば、行動は変わります。

傾聴を阻害してしまう「やりがちなNG行動」と改善策

良かれと思ってやったことが、実は相手の心を閉ざしているかもしれません。

ここでは傾聴を阻害してしまう「やりがちなNG行動」と、そしてその改善策をご紹介します。

話の腰を折る・自分の話にすり替える

「あ、それ知ってる! 私もね…」 会話が盛り上がると、つい自分の話をしたくなります。

しかし、話し手は「話題を横取りされた」と感じ、不完全燃焼になります。

改善策

「相手が息継ぎをするまで絶対に口を挟まない」と決めましょう。自分の話をしたくなったら、グッとこらえて「その時、どう思ったの?」と質問に変えます。

解決策やアドバイスを急ぎすぎる(早すぎる結論)

「それはこうすればいいんだよ」「結論から言うとね」 優秀なリーダーほど、すぐに正解を教えたがります。

しかし、相手は「解決策」の前に、まず「大変さ」を分かってほしいのです。いきなりアドバイスをされると、「自分の気持ちは無視された」と感じてやる気を失います。

改善策

アドバイスをする前に、「君はどうしたいと思っている?」「何が壁になっている?」とまずは質問を投げかけます。

「でも」「だって」といった否定語の使用

「でも、それは無理だ」「だって、予算がないから」 否定から入られると、相手の脳は「攻撃された」と感じて、心を閉ざしてしまいます。

改善策(イエス・アンド法)

まずは「なるほど、そういう考えもあるね」と受け止めます(Yes)。

その上で、「もしそれを実現するなら、予算の問題をどうクリアしようか?」と、条件を加える形(And)で返します。否定せずに視点を増やすイメージです。

まとめ

傾聴力は、才能ではなく技術です。

  • 基本は「3原則(共感・肯定・自己一致)」を守る
  • 「ペーシング」や「オウム返し」から練習する
  • まずは「相手が話し終わるまで3秒待つ」ことから

これらを意識するだけで、チームの空気は確実に変わります。

まずは今日、目の前の部下や同僚との会話で、「相手が話し終わるまで、あと3秒待ってみる」ことから始めてみませんか? その小さな「待つ時間」が、信頼関係を大きく育てる第一歩になります。

弊社でもこの記事でお伝えした「傾聴力」を用いたコーチングのやり方をお伝えしています。

「社員同士のコミュニケーションをより円滑にしたい」
「部下が自ら率先して動いてほしい」

自身のチームにこのような課題や希望をお持ちでしたら、ぜひご相談ください。チームを本質から変えるお手伝いをさせていただきます。

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